プールに通い始めようと思ったときや、健康維持のフィットネスから少し本格的なスイミングへステップアップしようと考えたとき、多くの方が直面するのが「競泳水着選び」の悩みです。

スポーツショップやネット通販を見ると、たくさんの水着が並んでいて「どれが自分に合っているの?」と迷ってしまいますよね。競泳水着には明確な種類があり、自分のレベルや目的に合わないものを選んでしまうと、着心地が悪かったり、すぐに生地が傷んだりしてしまいます。

しかし、選び方の順番さえ知っていれば、無数にある水着の中から自分にぴったりの1着を見つけるのは決して難しくありません。

本記事では、初心者から本格的に泳ぎたい方までを対象に、後悔しない競泳水着の選び方を4つのステップでわかりやすく解説します。より専門的な機能や細かな比較についてはリンク先の記事で解説していますので、まずはこの記事を水着選びの「全体マップ」としてご活用ください。

競泳水着の選び方4ステップ

【ステップ1】 目的に合わせて水着の「タイプ」を決める

競泳水着を選ぶ上で一番大切なのは、自分が「どのような環境で」「どのくらいの頻度で」泳ぐのかという「目的」をはっきりさせることです。

競泳水着は、大きく分けて「高速水着(競技用)」「(通常の)競泳水着」「練習用水着」「フィットネス水着」の4つに分類されます。まずは、ご自身の使い方に合ったグループを絞り込みましょう。

大会出場の有無で変わる「WA承認マーク」の必要性

水着のタイプを選ぶとき、最初の分かれ道になるのが「公式な水泳大会に出場するかどうか」です。

マスターズ大会などの公式大会に出場して記録を残すためには、水着のお尻付近に「WA承認マーク(旧FINAマーク)」が付いている水着を着るルールがあります。これは「国際的な規定をクリアした水着ですよ」という証明です。大会出場を少しでも考えている場合は、必ずこのマークが付いている水着を選びましょう。

タイムを追求する「高速水着(競技用トップモデル)」

0.01秒でも速く泳ぐために作られたのが「高速水着」です。主にトップアスリートや、本格的にタイムを狙う上級者向けの水着です。

最大の特徴は、布帛(ふはく)と呼ばれる伸びにくい素材を使っていること。体をギューッと強く締め付けて筋肉のブレを抑え、水中の抵抗を極限まで減らしてくれます。

ただし、着るのに10分以上かかるほど窮屈なものもあり、生地の寿命も短いため、毎日の練習には向いていません。まさに「レース本番用の特別な1着」です。

おそらく、今この記事を読んでいる方には関係ない競泳水着になります。

幅広いスイマーに支持される「通常競泳水着」

適度な締め付けと動きやすさを両立しているのが「通常競泳水着」です。ニット素材を中心に作られており、マスターズ大会に出る方や、部活で泳ぐ学生スイマーに一番多く選ばれています。

高速水着ほどきつくなく、着替えも比較的簡単です。もちろんWA承認マークが付いているモデルも多いため、公式大会にも出場できます。

「初めて大会に出る」「適度に泳ぎやすい水着が欲しい」という方に、一番おすすめのバランス型です。

圧倒的な耐久性を誇る「練習用水着」

毎日のハードな練習で着るために作られているのが「練習用水着」です。

普通の水着はプールの塩素に弱く、長く使っていると生地が薄く伸びてしまいます。しかし、練習用水着は塩素に強い素材(ポリエステル100%など)で作られているため、非常に丈夫で「長持ち水着」とも呼ばれます。

生地が少し厚めで伸びにくいため、着る時に少し硬く感じますが耐久性は抜群です。WA承認マークはないため公式大会では着られませんが、週に何度もプールに通う方の「普段着」として大活躍します。

試合に出る予定もない、趣味で泳ぎたいという方には、「練習用水着」をおすすめします。

快適さを追求した「スポーツ水着(フィットネス水着)」

タイムを競うのではなく、水中ウォーキングやマイペースな水泳を楽しむ方には「フィットネス水着」や「スポーツ水着」がおすすめです。

着替えやすさや、長時間着ていても疲れない快適さ、体型カバーなどを重視して作られています。上下が分かれているセパレートタイプなどもあり、競泳水着のような強い締め付けが苦手な方にぴったりです。

【ステップ2】泳ぎやすさと安心感から「カット(形)」を選ぶ

水着のタイプが決まったら、次は「カット(形)」を選びます。カットの違いは、脚の動かしやすさや肌の露出度に関わるため、とても重要なポイントです。

※水着の形状やシルエットについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

参考:競泳水着の種類・カットスタイル一覧

女性用(レディース)のカットスタイル

ハーフスパッツ(スパッツ型)

太ももまでを覆う形で、現在の競泳界で一番人気のスタイルです。露出が少なく安心感があり、太ももの筋肉のブレも抑えてくれます。初心者から上級者まで、迷ったらこの形がおすすめです。

ミドルレグ(普通)ローレグ(低い)

昔ながらのワンピーススタイルです。スパッツ型よりも着替えやすく、脚を動かしやすいため、マスターズスイマーの間で根強い人気があります。

ハイレグ(高い)

脚の付け根のカットが一番高いスタイルです。脚の動きをまったく邪魔しないため、股関節を大きく動かす平泳ぎの選手などに好まれますが、露出が多めなので好みが分かれます。

男性用(メンズ)のカットスタイル

スパッツ(ハーフスパッツ)

女性用と同じく、膝上まである丈の長いスタイルです。現在の主流で、トップ選手から一般スイマーまで標準的な選択肢となっています。

ボックス(ショートスパッツ)

ボクサーパンツのような形で、主に練習用水着としてとても人気があります。脚が動かしやすく、適度な露出に抑えられているのが特徴です。

ビキニ(Vパンツ)

一番丈が短いスタイルです。布の面積が少ないため脚の自由度が最も高く、主にベテランスイマーや競技者の練習用として好まれています。

【ステップ3】モチベーションを高める「ブランドとデザイン」を選ぶ

機能や形が決まったら、次は「ブランドとデザイン」を選びましょう。お気に入りの水着を着ることは、プールに通うモチベーションに直結します。

主要ブランドの特徴

スピード (SPEEDO)

イギリス発祥の世界的なブランド。洗練されたシャープでかっこいいデザインと、高い機能性が特徴です。

アリーナ(ARENA)

フランス発祥のブランド。動きやすさとフィット感に定評があり、スイマーのキックをサポートするような工夫がたくさん詰まっています。最も種類やデザインが豊富です。

ミズノ(MIZUNO)

日本のスポーツブランド。日本人の体型に合わせた緻密な作りが最大の強みで、特に競技用モデルは国内トップスイマーから絶大な支持を得ています。

練習用水着は派手なデザインが人気

大会用の水着は黒やネイビーなどのシンプルなものが多いですが、練習用水着はとてもカラフルです。

ハードな練習を楽しく乗り切るために、あえて普段は着ないような明るい柄や、キャラクターとのコラボデザインを選ぶのが最近のトレンドになっています。ぜひ、自分の気分が上がるお気に入りのデザインを探してみてください。

【ステップ4】メーカーの「サイズ表」を基準にジャストサイズを選ぶ

水着のタイプ、形、デザインが決まったら、最後に「サイズ」を選びます。実は競泳水着選びで一番失敗しやすいのが、このサイズ選びです。

競泳水着は「きつい」のが当たり前

初めて競泳水着を着る方は、その窮屈さに驚くかもしれません。しかし、競泳水着は水の抵抗を減らすために、あえて体を強く締め付けるように作られています。

そのため、陸上で試着した時に「少しきついな」「着るのが大変だな」と感じるくらいが、水に入った時にちょうど良いサイズになります。洋服感覚で「ゆったりして快適」なものを選んでしまうと、水中で生地が余ってシワになり、水が入り込んで重くなってしまいます。

参考:競泳水着の“きつい着心地”が正解である5つの理由

サイズ表(ヌード寸法)で正しく測る

サイズ選びで失敗しないためのコツは、普段の洋服のサイズ(MやLなど)で安易に選ばず、各メーカーの「公式サイズ表」を必ず確認することです。同じ「Mサイズ」でも、メーカーや水着の種類によって実際の大きさは微妙に違います。

必ずメジャーを使って、ご自身のスリーサイズを測りましょう。

  • 女性は「バスト」と「ヒップ」
  • 男性は「ウエスト」

が基準です。

測った数値をメーカーのサイズ表と照らし合わせて選んでください。もし数値が2つのサイズの境界にある場合は、着やすさを優先するなら大きい方、泳ぎやすさを優先するなら小さい方を選ぶのが目安です。

※サイズ選びの具体的な測り方や、試着のポイントについては、さらに詳しく解説している記事がありますので、ぜひ読んでみてください。

参考:競泳水着のサイズ選びと試着のポイント

忘れないで!水着を長持ちさせる「インナー」の準備

水着が決まったら、一緒に「インナー(アンダーショーツ・サポーター)」も準備しておきましょう。

インナーには「水着の生地を守る」「万が一の透けを防ぐ」「衛生面を保つ」という大切な役割があります。特に生地が薄い競泳水着の場合、インナーを着ることで摩擦を防ぎ、水着を長持ちさせることができます。

なお、男性で普段の下着(綿素材など)を代用するのは絶対にやめましょう。水を吸ってとても重くなり、泳ぎにくくなってしまいます。必ず水泳専用のインナーを選んでください。

※インナーの機能の違いや、各メーカーの適合については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考:インナーの必要性と種類

まとめ:自分にぴったりの1着で水泳を楽しもう

競泳水着選びは、難しく考える必要はありません。以下の4つのステップを順番に進めていけば大丈夫です。

  1. 目的に合わせてタイプを選ぶ(大会用か、練習用か、フィットネス用か)
  2. 泳ぎやすさや好みに合わせて形(カット)を選ぶ
  3. 気分が上がるブランドやデザインを選ぶ
  4. メーカーのサイズ表を使って、正しくサイズを選ぶ

まずは初心者に必要なこの基本を押さえて、気になる水着を絞り込んでみてください。

より細かい機能の違いや、各モデルの詳しいレビューについては、当サイトの他の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしていただき、あなたにとって最高の競泳水着を見つけて、充実したスイミングライフを楽しんでください!