
「あこがれの競泳水着を買った!…と思ったら、胸のパッドが入っていない!?」 「生地がペラペラで、これじゃ透けちゃう…不良品?」
初めて競泳水着を手にしたとき、多くの女性がこの「パッドない問題」に直面し、衝撃を受けます。フィットネス水着や学校のスクール水着には当たり前のように付いていたパッドがないのですから、驚くのも無理はありません。
でも、安心してください。それは入れ忘れでも不良品でもなく、競泳水着としての「正しい仕様」なのです。
この記事では、以下の疑問を徹底解説します。
- なぜ競泳水着にはパッドがないの?
- 練習や授業で恥ずかしい思いをしないための「即効対策」
- 大会に出るならどうする?ルールとプロの工夫
- 自分の水着に合うパッドの選び方
これを読めば、あなたの手元にある水着を安心して着こなせるようになり、プールへ行くのが楽しみになるはずです。
そもそもなぜ?競泳水着にパッドがない3つの理由

初心者がまず抱く「不親切だ」「コスト削減?」という誤解を解くことから始めましょう。競泳水着にパッドがないのには、タイムを縮めるための明確な機能的理由が3つあります。
① 水の抵抗を極限まで減らすため
水泳において最大の敵は「水の抵抗」です。
一般的なスポンジ状のパッドは、水に入ると水を吸って膨らみ、重くなります。さらに、胸の凹凸を強調してしまう形状は、水流を乱す原因になります。
競泳水着は「体を一直線(ストリームライン)」に保つことが最優先。そのため、胸を盛って凹凸を作るパッドは、速く泳ぐためには「不要なパーツ」とみなされるのです。
② 水着と身体の「密着度」を高めるため
競泳水着は、皮膚のようにピタッと張り付くことで機能を発揮します。
もし分厚いパッドが入っていると、水着と身体の間に「隙間」や「ズレ」が生じます。泳いでいる最中に水が入り込んで(キャッチして)しまい、ブレーキがかかるのを防ぐため、あえてパッドを排除し、胸をフラットに押しつぶす設計になっています。
③ 肩周りの可動域と軽量化
水を吸ったパッドは意外と重いものです。数百メートル、数キロメートルと泳ぐ中で、そのわずかな重さが後半の疲れに繋がります。
また、パッドを支えるための裏地や縫製が増えると、生地が硬くなり、腕を回す(ストローク)際の肩の動きを邪魔してしまいます。
パッドがないのは、あなたが「より楽に、より速く泳ぐため」の進化の証なのです。
とはいえ恥ずかしい!練習・授業で絶対透けないための対策

理由はわかったけれど、「じゃあ透けたまま泳げってこと?」といったら、もちろんそんなことはありません。 トップ選手でも、練習中やウォーミングアップではインナーやパッドを使用しています。特に初心者や学生の方は、「恥ずかしさ」で泳ぎに集中できないことが一番のマイナスです。
ここでは、用途や水着のタイプに合わせた「3つの鉄板対策」を紹介します。
対策A:一番のおすすめ!「フック付き(吊り)パッド」
もっともポピュラーで、多くの練習用水着に対応しているのがこのタイプです。
仕組み
水着の内側(脇腹あたり)にある「小さなループ(フック受け)」に、パッドのゴムを引っ掛けて固定します。
メリット
- 着脱が簡単で、洗濯のときに外して乾かせる。
- 身体の動きに合わせてパッドが動くので、フィット感が良い。
- 多くのメーカー(アリーナ、スピード、ミズノなど)で共通して使えることが多い。
デメリット
水着側に「フック受け」がないと使えない。
こんな人におすすめ
初めて競泳水着を買った人、日々の練習で使いたい人、洗濯を楽にしたい人。
対策B:絶対にズレない「縫い付けパッド」
学校の授業や、激しい部活の練習で「絶対にズレたり外れたりしてほしくない」という場合に最強の対策です。
仕組み
カップの端を、自分で水着の裏地に縫い付けます。
メリット
- どんなに激しく泳いでも絶対にズレない。
- フック受けがない水着でも取り付け可能。(※ARENA、MIZUNO、SPEEDO等メジャーなメーカーの水着の場合はオススメしません)
デメリット
- 裁縫の手間がかかる。
- 水着の生地に針を通すため、少し抵抗がある人もいる(※通常は裏地に縫い付けます)。
こんな人におすすめ
体育の授業で使う学生、飛び込み練習をする人、フック受けのない水着を買ってしまった人。
対策C:上級者向け「シリコンパッド・ニップレス」
本格的な競泳水着(レース用)には、フック受けすら付いていないことがあります。その場合の選択肢です。
※一般的に、記録を競う大会の場合はルール違反になります。参加大会のルールを確認してください。
仕組み
粘着性のあるシリコンを直接胸(肌)に貼り付ける、または水着の圧着力で挟み込みます。
メリット
- 水を吸わないので圧倒的に軽い。
- 水着のシルエットを崩さず、見た目がスマート。
デメリット
- 慣れないと剥がれ落ちそうで不安(実際は水着の締め付けで落ちません)。
- 「盛る」機能はないため、ボディラインはそのまま出る。
こんな人におすすめ
大会に出る人、高速水着を着る人、胸の圧迫感を嫌う人。
大会に出るなら?ルール解説と「恥ずかしくない」工夫

「今度、初めて市民大会(マスターズ)に出るけれど、パッドはどうすればいい?」 「大会でパッド禁止って聞いたことがあるけど本当?」
競技としての水泳に挑戦する方が知っておくべき、ルールとマナーについて解説します。
大会でパッドは禁止?(WAルール解説)
結論から言うと、公認記録を求めない一般的な大会(マスターズや市民大会、地方大会)では、パッドの使用は禁止されていません。
(※ただし、公認記録として競う大会に参加する場合では、WAルール・水泳連盟等で禁止されています。WA承認水着のみの着用が絶対になります。)
許可されている場合でも、パッドによって不当に浮力を得ることは禁止。「身体の保護・透け防止」を目的とした常識的なインナーの使用は許可されているのが現状です。
あくまで「透け防止」「トップ(乳首)の保護」として使用しましょう。
どうしても抵抗がある人への「視覚的カバー術」
最近の競泳水着は赤外線を吸収する特殊な素材や透け技術など対策が進んでいますが、「パッドなしは心もとない…でもタイムも気になる」 そんな方は、水着の「色と柄」でカバーしましょう。
濃い色を選ぶ
黒、紺(ネイビー)は光を吸収し、凹凸の陰影を目立たなくします。
総柄・ロゴデザイン
胸元に大きなメーカーロゴがあったり、幾何学模様が入っているデザインは、視覚的なカモフラージュ効果が高く、パッドなしでも驚くほど目立ちません。
厚手素材のレース水着
初級者向けのレース水着(FINA承認でも安いモデル)は、比較的生地が厚めに作られています。これらを選べば、パッドなしでも十分にカバーできます。
よくある質問(Q&A)

最後に、競泳水着のパッドに関するよくある疑問にお答えします。
Q. 市販の安いスポンジパッドでも代用できますか?
A. サイズが合えば使えますが、おすすめしません。
一般的な水着用の三角パッドは、競泳水着の狭い胸元には大きすぎたり、厚すぎて水着のシルエットを崩したりすることがあります。競泳メーカーが出している専用パッド(数百円〜1,000円程度)は、動きを妨げない独自のカットになっています。価格差は小さいので、専用品を買うのが無難です。
Q. パッドを入れたまま洗濯してもいいですか?
A. フック式・差し込み式は「外して」洗いましょう。
入れたまま洗うと、パッドが中で折れ曲がったり、生乾きで雑菌が繁殖したりする原因になります。水着自体も長持ちさせるために、使用後はパッドを外し、水着と一緒に水道水ですすいで陰干ししてください。
※縫い付け式の場合は、そのまま丁寧に手洗いし、しっかり乾かしましょう。
Q. 競泳水着を着ると胸が潰れて苦しいです。サイズ間違い?
A. 正常です。
競泳水着は、水の抵抗を減らすために胸を平らに押さえつけるように設計されています。着た瞬間に「きつい!」と感じても、水に入れば水圧でちょうどよくなります。ただし、肩紐が食い込んで痛い、息ができないほど苦しい場合はサイズアップを検討してください。
まとめ:パッドは「後付け」が常識!自分に合ったものを選ぼう
競泳水着にパッドがないのは、あなたがスイマーとして一歩踏み出した証拠です。 最初は驚くかもしれませんが、用途に合わせて正しくアイテムを選べば、何も怖いことはありません。
- 練習メインなら: 手軽で安心な「フック付きパッド」
- 激しい練習・授業なら: 絶対ズレない「縫い付けパッド」
- 大会・レース用なら: 軽くて抵抗にならない「シリコンパッド」
- 購入前の確認: 水着に「フック受け」があるかどうかを必ずチェック!
自分にぴったりの対策をして、不安なく思い切り泳ぎを楽しんでくださいね!
















