水泳ができるプールの種類とは?市民プール・公営プールとスポーツジムの違いを解説

水泳は、全身の筋肉をバランスよく使い、心肺機能を高めることができる非常に優れた有酸素運動です。「健康のために水泳を始めたい」「ダイエット目的で久しぶりにプールで泳ぎたい」と思い立ったとき、最初に直面する悩みが「どこで泳げばいいのか?」ということではないでしょうか。

いざ泳ぎに行こうと思っても、近所の市民プールに行くべきか、それともスポーツジムに入会するべきか、それぞれの違いがわからずに迷ってしまう方は少なくありません。

プールには大きく分けて、自治体が運営する「市民プール(公営プール)」と、民間企業が運営する「スポーツジム・フィットネスクラブのプール」が存在します。これらは単に運営元が違うだけでなく、料金体系や設備の充実度、利用者の層、そして利用するためのルールまで、様々な面で大きな違いがあります。

この記事では、水泳ができるプールの主な種類をはじめ、市民プールとスポーツジムのプールの特徴、メリット・デメリット、そしてあなたの目的やライフスタイルに合わせた最適なプールの選び方までを網羅的に解説します。これから水泳を始めようとしている方は、ぜひ参考にしてください。

水泳ができるプールの主な種類と施設別の特徴

日本全国には、水泳を楽しむためのプール施設が数多く存在しますが、その運営形態によって特徴は大きく異なります。まずは、私たちが日常的に利用できるプールの主な種類と、それぞれの全体的な傾向について整理してみましょう。

私たちが「泳ぐ」ことを目的として利用するプールは、主に以下の3つのカテゴリーに分類されます。

  1. 市民プール・公営プール(都道府県や市区町村などの自治体が設置)
  2. スポーツジム・フィットネスクラブのプール(民間企業が運営)
  3. その他のプール(学校施設の開放、ホテル、レジャー施設など)

水泳を継続的な運動として取り入れる場合、現実的な選択肢となるのは「市民プール」か「スポーツジムのプール」の2択になります。

全国のスイミングプール施設における形態別特徴や利用環境の傾向を比較すると、明確な違いが見えてきます。公営プールは「低価格・都度払い」による圧倒的なアクセスの良さが特徴ですが、設備の老朽化やアメニティの少なさが課題となる傾向にあります。

一方、民間ジムのプールは「高単価・月額制」ではあるものの、水質管理や付帯設備(サウナやジャグジーなど)が充実しており、顧客満足度を高める工夫が随所に見られます。

以下の表は、各プール施設の代表的な特徴を比較したものです。

比較項目市民プール・公営プールスポーツジム・フィットネスクラブ
運営主体地方自治体(指定管理者を含む)民間企業
料金体系都度払い(1回ごとの利用券購入)月額制(定額制)、年割など
料金相場1回 200円 ~ 600円程度月額 7,000円 ~ 13,000円程度
入会手続き不要(券売機等で当日購入)必要(入会金・事務手数料・口座登録等)
主な利用者層子供、学生、高齢者、ファミリー、一般会社員、主婦、本格的に運動したい人
設備の充実度必要最低限(更衣室、シャワーなど)高い(サウナ、お風呂、パウダールーム等)
水質管理基準は満たしているが施設により差がある徹底されており、透明度が高いことが多い

このように、両者には明確な違いがあります。次項からは、それぞれのプールについて、さらに詳しくメリットとデメリットを深掘りしていきましょう。

市民プール・公営プールの特徴とメリット・デメリット

市民プールや公営プールは、都道府県や市区町村といった地方自治体が地域住民の健康増進やスポーツ振興を目的として設置している施設です。

近年では、自治体が直接運営するのではなく、民間企業に運営を委託する「指定管理者制度」を導入している施設も増えており、昔ながらの古い施設だけでなく、民間ジム顔負けの綺麗で充実した設備を持つ公営プールも登場しています。

市民プール・公営プールのメリット

市民プールを利用する最大のメリットは、何と言っても「費用の安さ」と「利用のハードルの低さ」にあります。

1回数百円の都度払いで利用できる

市民プールの利用料は、大人1回あたり200円から600円程度に設定されていることがほとんどです。

スポーツジムのように毎月固定の会費が発生しないため、「月に1〜2回だけ泳ぎたい」「気が向いた時だけ行きたい」という方にとっては、最もコストパフォーマンスが高い選択肢となります。回数券や定期券を販売している施設もあり、頻繁に通う場合はさらに1回あたりの単価を下げることも可能です。

面倒な入会手続きが一切不要

スポーツジムに入会する際には、身分証明書の提示や銀行口座の登録、初期費用の支払いなど、様々な手続きが必要です。

しかし市民プールの場合は、ふらっと立ち寄って券売機で利用券を購入するだけで、誰でもすぐに泳ぐことができます。思い立ったその日から始められる手軽さは、大きな魅力です。

年齢層が幅広く、自分のペースで泳ぎやすい

市民プールは地域住民のために開かれた施設であるため、小さなお子様からお年寄りまで、利用者の年齢層が非常に幅広いのが特徴です。

「本気で泳いでいる人ばかりだったらどうしよう」というプレッシャーを感じにくく、水着のスタイルなども比較的自由で、リラックスして自分のペースで水泳や水中ウォーキングを楽しむことができます。

市民プール・公営プールのデメリット

一方で、安価で誰もが利用しやすいからこそのデメリットも存在します。

時間帯や季節によって非常に混雑する

誰でも安く利用できるため、特に夏休みの期間や土日祝日は、子供たちや家族連れで大混雑することがあります。

また、平日の夕方以降は学校帰りの学生や仕事帰りの社会人で混み合うこともあり、自分の好きなペースでコースを独占して泳ぐことが難しい場面も多々あります。

設備やアメニティが最低限であることが多い

施設にもよりますが、シャワールームには石鹸やシャンプーが備え付けられていない、あるいは使用自体が禁止されている公営プールも少なくありません。

また、更衣室のドライヤーの数が少なかったり、パウダールームが狭かったりと、女性にとっては少し不便に感じる点があるかもしれません。水から上がった後のリフレッシュ環境という点では、民間ジムに劣ることが多いです。

利用時間の制限や水泳教室によるコース占有

「1回2時間まで」といった利用時間の上限が設けられている施設が一般的です。

また、時間帯によっては子供向けのスイミングスクールや水中ウォーキング教室などが開催されており、一般利用者が泳げるコースが1〜2コースに制限されてしまうこともあります。事前に施設のスケジュールを確認しておく必要があります。

スポーツジム・フィットネスクラブのプールの特徴とメリット・デメリット

スポーツジムやフィットネスクラブのプールは、健康維持やボディメイクを目的とする会員向けに提供されているサービスの一部です。月会費を支払うことで、プールだけでなく、マシンジムエリアやスタジオレッスンなども併用できるのが一般的な形態です。

スポーツジムのプールのメリット

スポーツジムのプールを選ぶメリットは、「充実した設備環境」と「質の高いサービス」に集約されます。

温浴施設やアメニティが非常に充実している

民間ジムの最大の強みは、付帯設備の充実度です。プールの後には、ジャグジーで体を温めたり、サウナで汗を流したり、広々としたお風呂に入ったりすることができます。

シャワールームにはシャンプーやボディソープが完備されており、清潔で広いパウダールームにはドライヤーも十分に用意されています。運動後のケアやリラクゼーションまで含めて「充実した時間」を過ごすことができます。

水質管理が徹底されており、快適な環境で泳げる

会員から会費を集めて運営しているため、プールの水質管理や温度管理(水温・室温)が非常に厳密に行われています。水がクリアで塩素の匂いも抑えられていることが多く、冬場でも寒さを感じずに快適に泳げる環境が整えられています。

大人向けの多彩なレッスンプログラムに無料で参加できる

多くのスポーツジムでは、クロールや平泳ぎなどの泳ぎ方教室、音楽に合わせて体を動かすアクアビクス、関節に負担をかけない水中ウォーキングなど、多彩なプールプログラムが用意されています。

会員であればこれらのレッスンに無料で参加できることが多く、プロのインストラクターから直接指導を受けることで、効率よく水泳のスキルアップやダイエット効果を狙うことができます。

ジムエリアとの併用で相乗効果が期待できる

筋力トレーニング用のマシンやランニングマシンなどのジムエリアと併用できる点も大きなメリットです。例えば、「筋トレを30分行った後に、プールで30分有酸素運動をする」といった組み合わせにより、脂肪燃焼効果を最大化するようなトレーニングメニューを組むことが可能です。

スポーツジムのプールのデメリット

充実した環境である反面、コストや契約面でのデメリットも考慮する必要があります。

月会費がかかるため、通えないと割高になる

スポーツジムは月額制が基本であり、毎月7,000円〜13,000円程度の固定費が発生します。

週に2〜3回コンスタントに通えるのであれば非常にお得ですが、仕事が忙しくなって月に1〜2回しか行けなくなってしまった場合、1回あたりの利用料が数千円になってしまい、非常にコストパフォーマンスが悪くなります。

入会や退会、休会の手続きに手間がかかる

利用を開始するためには、事前に入会手続きを行う必要があります。身分証の提示、初期費用の支払い、金融機関口座の登録などが必要で、思い立ってすぐに泳げるわけではありません。

また、通えなくなった際の退会や休会の手続きも、指定された期日までにフロントで行う必要があるなど、管理の手間がかかります。

休館日があり、いつでも行けるわけではない

市民プールが年末年始や一部の点検日を除いてほぼ毎日開館していることが多いのに対し、スポーツジムは「毎週火曜日は休館」のように、定期的な休館日が設定されているのが一般的です

。自分の休日のサイクルとジムの休館日が重なってしまうと、通いづらくなる可能性があります。

市民プールとスポーツジム、あなたに合うのはどっち?

市民プールとスポーツジム、それぞれの特徴が見えてきたところで、実際にどちらを選ぶべきか、目的やライフスタイルに合わせた選び方を解説します。自分にとって最適な選択をするためには、「どれくらいの頻度で通うか」「何を重視するか」を明確にすることが重要です。

費用と利用頻度で選ぶ

プールの選び方において、最も分かりやすい基準が「利用頻度」と「コスト」のバランスです。

月に1〜3回程度の利用なら「市民プール」が圧倒的にお得

「たまにリフレッシュしたい」「週末に少しだけ泳ぎたい」という方であれば、都度払いの市民プール一択と言っても過言ではありません。

仮に1回500円のプールに月に3回通ったとしても月額1,500円です。スポーツジムに入会してしまうと会費の無駄になってしまう可能性が高いため、まずは市民プールから始めることをおすすめします。

週に2回以上コンスタントに通うなら「スポーツジム」も視野に

「本気でダイエットしたい」「運動の習慣をしっかり身につけたい」という目標があり、週に2回(月に8回)以上通う決意があるならば、スポーツジムの月額制の方がお得に、かつ快適に利用できる計算になります。

また、「高い会費を払っているから行かなければ」という心理的なモチベーションが働き、運動を継続しやすくなるという効果も期待できます。

目的と重視するポイントで選ぶ

費用面だけでなく、プールで何をしたいのか、どんな環境を求めているのかによっても選択肢は変わります。

「泳ぐこと」だけに集中したい、純粋に水泳を楽しみたい人

付加価値を求めず、ただひたすら自分のペースで泳いだり歩いたりしたいという場合は、市民プールで十分目的を達成できます。

最近の公営プールはコースロープで「完泳コース」「ウォーキングコース」などが明確に分けられているため、目的のコースを選べば快適に運動できます。

手厚いサポートやレッスンの受講、快適な設備環境を求める人

「泳ぎ方を基礎から教わりたい」「アクアビクスで楽しく汗を流したい」「プール後にサウナや広々としたお風呂でリラックスしたい」「綺麗なパウダールームでしっかり身支度をして帰りたい」といった、プール以外の付加価値や快適性を重視する方には、間違いなくスポーツジムが適しています。

特に女性の場合、設備のアメニティの差は施設選びの大きな決定打になることが多いです。

目的別おすすめプール比較表

以下の表を参考に、ご自身の現在の状況と照らし合わせてみてください。

あなたの希望・目的おすすめのプール理由
初期費用をかけず、安く済ませたい市民プール1回数百円の都度払いのみで利用可能なため
気が向いた時だけ、不定期に行きたい市民プール入会手続き不要で、月会費の無駄が発生しないため
プールの後にお風呂やサウナに入りたいスポーツジム充実した温浴施設やリラクゼーション設備が整っているため
クロールや平泳ぎを基礎から習いたいスポーツジム無料で参加できる大人向けのレッスンプログラムが豊富なため
筋トレなどの陸上トレーニングもしたいスポーツジムマシンジムエリアやスタジオも追加料金なしで利用できるため
女性目線で、ドライヤーなどの設備を重視スポーツジムパウダールームが広く、アメニティが揃っている施設が多いため